新型コロナウイルスに感染して自宅やホテルなどの宿泊施設で療養中に急変し、死亡した人が7月以降、少なくとも13都府県で45人に上ることが27日、共同通信の全国調査で分かった。無症状や軽症だった人も目立ち、半数は40代、50代と働き盛りの年代だった。
第3波の昨年12月~今年1月に行った同様の調査では死者は17人。今回は調査対象期間が1週間ほど長いが約2・6倍に増えた。第4波で医療崩壊が起きた大阪府によると、府内の自宅療養者らの死亡例は3月1日~6月20日で19人。感染力の強いデルタ株が猛威を振るう第5波の深刻さが浮き彫りになった。
厚生労働省は27日、埼玉を除く全国の自宅療養者が25日午前0時時点で11万8035人となったと発表した。コロナ患者用の病床は依然各地で不足しており、命を守る対策が急務だ。
都道府県別で死者が最も多かったのは東京の18人で、神奈川7人、埼玉5人、千葉4人、静岡、沖縄が2人と続いた。島根、鳥取はいない。年代別では50代が13人と最多で、次いで40代が10人、60代が8人。30代も2人いた。一方、第3波の調査では、年代が公表された死者の中に、30代や40代はいなかった。
東京では自宅療養をしていた夫婦と子どもの家族3人のうち、糖尿病の基礎疾患がある40代母親が12日に死亡。70代女性は入院調整で受け入れ先が1週間以上見つからず亡くなった。微熱で軽症と診断された30代男性は、保健所の日々の健康観察で異常はなかったが、9日後に連絡が取れなくなり、自宅で死亡しているのが見つかった。
千葉の60代男性も8月上旬に陽性となり自宅療養していたが、急に連絡が取れなくなり救急隊が17日に死亡しているのを発見した。
共同通信が都道府県などに取材した。プライバシーの保護などを理由に、死者の年代や亡くなった場所を明らかにしない自治体もあった。本人が望んで自宅療養となるケースもあった。