伯州綿の綿花を収穫し、喜ぶ児童=米子市和田町(画像の一部を加工しています)
伯州綿の綿花を収穫し、喜ぶ児童=米子市和田町(画像の一部を加工しています)

 米子市和田町の介護施設「真誠会ふる里」内の農園でこのほど、地元の子どもや住民ら約70人が伯州綿の綿花の摘み取りをした。子どもたちは枝に実った綿花を見つけると歓声を上げて喜び、収穫を楽しんだ。

 和田地区で盛んだった伯州綿作りを通して、高齢者の元気を取り戻し、子どもらの学びや地域づくりにつなげようと、真誠会や住民でつくる「ワタ作りプロジェクト」が実施し、17年目になる。5アールの畑に約2千本の苗が育ち、18キロ程度の収穫を見込む。綿花は市内の就労継続支援B型事業所に提供し、ハンカチなどに加工されるという。

 施設の利用者や住民が見守る中、和田小学校の3年生と和田保育園の年長児がプロジェクトのメンバーから説明を受け、収穫に挑戦した。綿花を見つけると子どもたちは「あった!」と元気な声を出していた。

 和田小3年の林田凪叶(なぎと)さん(9)は「触るとふわふわして気持ち良かった。たくさん採れてよかった」と籠いっぱいの綿花を手に喜んだ。施設利用者の米山みえ子さん(89)は「子どもの頃、母が伯州綿で服を作っていたのが懐かしい。今の子どもたちにも伯州綿の文化が伝わって良かった」と話した。

(中村和磨)