松江市殿町の島根県物産観光館で石見地方の陶芸文化に焦点を当てた「用の美 静かな力-石見焼展」が開かれている。県内10の窯元が計500点以上を出品展示し、日用品としての素朴な美しさと焼き物に息づく地域の風土が来館者を楽しませている。28日まで。
石見焼は耐水性に優れ、水がめなど大型の陶器を中心に栄えたが、水道の普及などで衰退した。代表的な窯元の一つ、椿(つばき)窯の荒尾則和さん(57)は、それぞれの窯元が独自の生き残り戦略を図ったため「同じ石見焼でも作品の色合いや雰囲気はばらばら」と解説する。
椿窯では来待釉薬(ゆうやく)と京都清水焼の技術を掛け合わせた独特の赤い椿が特徴だといい「石見焼は食洗機、電子レンジでも使える。ぜひ日常で使ってほしい」と話した。
また、外側にあしらわれた雲の模様が特徴的な雪舟焼窯元の福郷徹さん(76)は「会場で手に取って自分に合うものを探し、楽しんでもらえたらうれしい」と話した。
(岩田理子)













