北信越5県を中心に行われた全国高校総合体育大会(インターハイ)のレスリング男子60キロ級で、松江市出身の小野正之助(まさのすけ)さん(17)=佐賀県立鳥栖工業高校3年=が優勝した。里帰りし30日、松江市内の関係者に結果を報告するとともに、五輪出場の夢を語った。 (金津理子)
小野さんは4歳の時に競技を始め、雲南市加茂町のクラブで技を磨いた。松江の内中原小学校を卒業すると、レスリングが盛んな佐賀県の鳥栖中学校に進学し、2018年の全国中学選抜選手権で優勝。鳥栖工高に進んだ19年、1年生でインターハイを制した。21年は全国高校選抜大会との2冠、インターハイは中止だった昨年を挟み、連覇の快挙となった。
インターハイ決勝について「相手は守りに徹し、最後に一気に仕掛けてくるのが分かっていた。先に5点取ったときに勝ちを確信した。絶対に負けられないと思っていたのでとにかくほっとした」と振り返った。
6月に膝を壊して1カ月入院し、その後も髄膜炎になり入院。インターハイまで3週間しか練習できなかったが、「入院先のベッドで対戦相手の試合動画を見て癖や技を徹底的に研究した」成果を発揮した。
当面の目標は12月にある天皇杯全日本選手権の優勝で、階級を57キロ級に落として挑む。その後は大学に進んで競技を続け、さらに大きな目標を見据える。「あと2年でパリオリンピックの予選が始まる。今はまだ厳しいかもしれないが、可能性はあるので挑戦したい」と力を込めた。
将来的には「生まれ育った松江にレスリングを通じて何か恩返しができたらいいなと思っている」と話した。