政府は31日の閣議で、雲南市など島根県東部を中心に被害を受けた7月豪雨など、5月11日~7月14日の梅雨前線による大雨被害を激甚災害に指定すると決めた。農林水産関係の被害報告額は全国で430億円(8月25日時点)に上り、このうち島根県は224億6600万円(8月20日時点)で半分以上を占め、最大だった。
死者26人、行方不明者1人を出した静岡県熱海市の土石流など梅雨の被害では、全国どこでも対象となる激甚災害とする。被害を受けた農業関連施設の復旧費の国庫補助率は1~2割程度引き上げる。公共土木施設の被害が大きかった雲南市、島根県飯南町、鹿児島県さつま町の3市町は、局地激甚災害に指定し、道路などのインフラや、福祉施設などの復旧についても補助率を上げる。
棚橋泰文防災担当相は記者会見で、8月の大雨被害についても激甚災害に指定する見込みになったと明らかにした。8月の大雨は、農地など農業関連施設の復旧は地域を限定せず、佐賀県の武雄市と大町町に限り、中小企業が事業再建資金を借り入れる際の保証を手厚くする支援を適用する方針。大雨によって長野、広島、長崎、熊本、鹿児島の各県で計12人が死亡し、27日時点で浸水などの住宅被害は、20府県で7852棟、農林水産関係被害は386億円に上っている。 (曽田元気)