島根県が18日、出雲保健所(出雲市塩冶町)に収容していた犬が逃げ出し、市内の中学生をかんだと発表した。中学生は軽症で、逃げた犬は捕獲された。

 県薬事衛生課によると16日午後5時ごろ、屋外の運動場で遊ばせていた四国犬系の雑種で体重15キロほどの雄犬を収容房に戻そうとしたところ、リードが首輪から外れ、保健所の敷地外に脱走した。約1時間後に保健所から2キロほど離れた場所で捕獲されたが、夜になって出雲署から、犬に噛まれた中学生がいるとの連絡があった。

 中学生は左ふくらはぎを噛まれたが軽傷。17日に登校した。県によると中学生から犬に接近したのではないという。保健所が狂犬病の予防接種をしていた。

 犬は「迷い犬」として保護され、譲渡先を募集中だった。今後、訓練を行い譲渡できるかどうかを判断する。

 県が所管する保健所から犬が逃げ出したのは初めてで、今後は首輪やリードを2本に増やすなどして再発防止を図る。県薬事衛生課の宮本毅課長は「未然に防げず深く反省している。同様の事案が起こらないように取り組みたい」と謝罪した。

(佐々木一全)