刷り上がった新1万円札を手にする麻生財務相(右)と日銀の黒田総裁=1日午後、東京都北区の国立印刷局東京工場(国立印刷局提供)
刷り上がった新1万円札を手にする麻生財務相(右)と日銀の黒田総裁=1日午後、東京都北区の国立印刷局東京工場(国立印刷局提供)

 財務省は1日、2024年度上半期をめどに発行する新1万円札の印刷開始式を東京都北区の国立印刷局東京工場で開いた。発行前に民間事業者が現金自動預払機(ATM)や自動券売機の改修などの準備ができるよう、早めに印刷を始めた。

 式には麻生太郎財務相や黒田東彦日銀総裁らが出席し、麻生氏がスイッチを押すと印刷機が始動。刷り出された新紙幣のシートの仕上がりを、ルーペで確認した。

 新1万円札は、肖像画に日本の資本主義の父とされる実業家の渋沢栄一を採用。肖像の3D画像が回転したように見えるホログラム技術を世界で初めて紙幣に施した。裏面は東京駅丸の内駅舎の図柄となっている。

 5千円札と千円札も24年度上半期に刷新。肖像画には津田塾大の創始者で女性教育の先駆けとなった津田梅子と、近代医学の基礎を築いた北里柴三郎をそれぞれ採用する。