協定書を手にする陶山清孝町長(左)と荒木賢治会長=鳥取県南部町法勝寺、キナルなんぶ
協定書を手にする陶山清孝町長(左)と荒木賢治会長=鳥取県南部町法勝寺、キナルなんぶ

 キャンピングカーを活用した大規模災害の緊急対応に向けて、鳥取県南部町はこのほど、キャンピングカーの普及促進に取り組む日本RV協会(横浜市)と連携協定を結んだ。協定締結は西日本の自治体としては初めて。町の要請に応じて協会に加盟する製造・販売店が有償で派遣し、町は他自治体から応援で入った職員らの拠点としての活用を想定する。

 南部町は宿泊施設が少なく災害時の生活拠点が限られる。キャンピングカーに電源や水などを供給するRVパークに認定された緑水湖オートキャンプ場(鳥取県南部町下中谷)を活用しようと、町が協定締結を持ちかけた。

 キャンピングカーはキッチンやトイレ、ベッド、電源を備え、自走できる。2024年の能登半島地震では協会が60台以上を派遣し、被災地支援活動の指揮や宿泊の拠点となった。

 締結式で陶山清孝町長は「地震は備えが全て。機動性のあるキャンピングカーを活用し、防災力の向上につなげていく」と期待した。日本RV協会の荒木賢治会長は「レジャーだけでなく防災などにも活用できることを多くの人に知ってもらい、役立ててもらいたい」と話した。

 (中村和磨)