大阪府に住む瀬戸京香さん(仮名)はずっと不思議だった。「家で仕事らしい仕事をしていないのに、時給1500円をもらっていました。おかしいですよね」。瀬戸さんには発達障害と精神障害があり、障害者の就労を支援する事業所で働いていたのだという。

 瀬戸さんの元には時々、200万~300万円台の金額が書かれた通知が届いていた。瀬戸さんは意味がよく分からなかったが、どうも「瀬戸さんを支援した」という名目で事業所が1カ月に受け取っている公的なお金のようだ。ただ、ほとんど支援は受けていない。「なのに、私1人の分で事業所が300万円も受け取っているの?」

 瀬戸さんの疑問について記者が取材すると、専門家も「あり得ない」と驚くようなカラクリが浮かび上がった。(共同通信=市川亨)

 ▽「A型事業所」とは?

 瀬戸さんは20...