短歌 宮里勝子選

山道にとぐろ巻きたる蝮おり他に道なくしばし佇む        邑 南 森脇 幹夫

 【評】山間部に暮らす作者にとって蝮(まむし)は共存する生き物。相手は腰を落ち着けて動く様子はない。追い立てるか、またぐか案じる緊張感が伝わります。道は狭く蝮は飛びつくので逃げてくれるのが一番、その後はいかに。

20画以上の漢字辞書見ずにどれほど書けるか試してみたり    出 雲 増田のぼる

 【評】作者の向上心にまず頭が下がります。読むことはできても、書けない字がどれほど多いことかと自分を顧みました。漢字検定などいくつになっても...