新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」が猛威を振るう中、山陰両県内で若年層への感染が目立っている。両県ともに1カ月の感染者数が過去最高だった8月(島根629人、鳥取658人)は、46%が20代以下で、県外から持ち込まれたウイルスがお盆期間中に家庭内で広がったとみられる。5日の感染者数は両県とも1桁台だった一方、学校現場では夏休みが明け、活動が本格化するだけに、広がりを注視する必要がある。 (佐々木一全)

 8月に両県で確認された感染者のうち、20代は294人(島根139人、鳥取155人)、10代は171人(島根70人、鳥取101人)、10歳未満は129人(島根63人、鳥取66人)。島根では、英国由来の変異株「アルファ株」の影響で189人が感染した第4波の5月は、20代が30人、10代以下が19人で、デルタ株の感染力の強さが際立つ。

 島根の感染者で、発症2週間以内の県外移動歴が判明しているのは181人で、お盆明けの8月20~31日に95人が集中。県はここから家庭内に感染が広がったケースがあるとみる。

 両県の小中学校や高校では2学期が始まり、主な感染場所が家庭から学校に移る可能性もある。両県は感染が判明次第、クラスや学年単位での幅広い検査を実施する方針で、島根県感染症対策室の田原研司室長は「デルタ株の感染力の強さを考慮しつつ、学校での早期の封じ込めをはかる」と強調した。

 両県は、50代以上の基礎疾患がある患者を対象に、重症化を防ぐ効果がある薬を投与する「抗体カクテル療法」の活用を進める。島根では3日時点で、医療機関12カ所の入院患者の2割に投与しており、おおむね回復に向かったという。