狩猟を始めて2年目の冬、桜井優祐さん(40)は長野県の山中で初めてクマに遭遇した。約40メートル先の斜面をゆっくり登っている。だが動けなかったという。

 「弾を込めることもできず、息をひそめてじっとしているしかなかった」―。

 桜井さんはその後、「ガバメントハンター」になった。狩猟免許を持つ公務員。普段は長野県小諸市役所の農林課職員として働いている。政府によるクマ被害対策の「切り札」としても注目を集める存在だ。

 狩猟歴は現在、約10年。デスクワークをこなしながらパトロールもし、時にクマと対峙しなければならない。危険と隣り合わせだが、魅力的な仕事でもあるという...