第九章・隠居と縁組み(3)

 

 寛永十六年(一六三九)三月下旬、前田利常は江戸へ参勤した。例年のごとく将軍家光に出府の挨拶(あいさつ)をするために登城すると、老中になっていた堀田正(まさ...