山形県の日本海側に広がる肥沃(ひよく)な庄内平野は古くから栄え、鶴岡市と酒田市は県内で山形市に次ぐ人口を抱える。鶴岡は庄内藩の城下町、酒田は北前船が寄港する西回り航路の港町として栄えた。明治初め、日本が農業を基盤とする国だった時代、日本海側の生産力の高い地域とともに、庄内地方も繁栄を続けた。

 しかし以降150年、鉄道や道路、新幹線...