太平洋戦争末期の沖縄戦では、日本とアメリカ双方で20万人以上が死亡した。出征し、32歳で亡くなった私の祖父の弟(大叔父)もその一人だ。ことし2025年で戦争が終わってから80年となった。「大叔父がどんな思いで沖縄に向かい、最期を迎えたのか知りたい」。私は、親族の言葉や旧日本軍の資料を元に、大叔父の足跡をたどり始めた。(共同通信=猪狩みづき)

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 ▽肖像画に残る面影

 大叔父の名前は猪狩幸三。太平洋戦争中に、初めにビルマ(現ミャンマー)、2度目は沖縄に出征し、「戦死不明で帰らぬ人」となった。形見は何もなかった。私の祖父が生前残した手紙には、大叔父について、そう書かれていた。

 福島県いわき市に猪狩家先祖代々の墓があり、幸三の名が墓誌に...