利用者に日御碕神社内を案内して回る、日本航空客室乗務員の石橋香奈子さん(右)=出雲市大社町日御碕
利用者に日御碕神社内を案内して回る、日本航空客室乗務員の石橋香奈子さん(右)=出雲市大社町日御碕

 新型コロナウイルス禍の中、出雲市の周遊観光タクシー「うさぎ号」が出雲観光に一役買っている。少人数で密を避けて楽しめるのが売りで、6月に日本航空(JAL)の客室乗務員(CA)によるガイドも始まり、話題を集める。秋の行楽シーズンを控え、ガイドの様子をのぞいてみた。 (松本直也)

 うさぎ号は2020年9月に運行が始まり、タクシー1台につきガイド1人が同行する。九つあるコースは各5、6時間の設定で昼食が付き料金は1人1万~1万8千円。出雲観光協会に事前予約する。

 市によると、利用者は20年度が50件、119人、21年度は9月の見込みまでで26件、60人。40代以上の女性が多い傾向があるという。コロナ禍による往来自粛もあって決して多い数字ではないが、市内到着後、観光地に向かうまでのアクセスの不便が解消され、公共交通を使うことによる接触や密が防げるという。

 CAによるガイドは、島根県のふるさと応援隊に手を挙げた20人が入れ替わりで来県。常にCAがガイドする訳ではなく、日程調整が付いた場合に担う。

 9日には、義理の両親が県出身というCAの石橋香奈子さんが担当。松江、出雲、雲南市在住の友人同士3人を出雲大社などに案内した。日御碕神社(大社町日御碕)では、栃木県の日光東照宮と同様に「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿がいることを紹介し、同じ系列の宮大工が手掛けた可能性を紹介した。

 コロナ禍だからこそ地元を回ろうと、初めてうさぎ号を利用したという川田康子さん(49)=出雲市斐川町原鹿=はガイドの案内で新発見もあった様子。「車両の乗り降りでアルコール消毒した。コロナ禍でも楽しめた」と喜んだ。

 政府は今後、ワクチン接種を条件に旅行などの行動制限を緩和する方針。出雲観光の入り込みが増える神在月(10月)を控え、石橋さんは「ガイドの勉強で得た知識をフライト時や知り合いにも発信したい」と本職でのPRに意欲を見せた。出雲市観光課の佐久間仁主任は「コロナ後を見据え、興味を示してもらえる世代にピンポイントで情報発信したい」とアピールした。