石田整昭さんの作品「働く」を眺める関係者=米子市淀江町西原、市淀江文化センター
石田整昭さんの作品「働く」を眺める関係者=米子市淀江町西原、市淀江文化センター

 【米子】米子市出身の画家・故石田整昭(なりあき)さん(1927~99年)の作品を後世に伝えようと、親族らが力作4点を市に寄贈した。市は今後、各所で展示し地域の文化振興に役立てる。

 石田さんは旧国鉄(現JR)に入社後、労働者や鉄路を題材とした作品を手掛けた。退職後はフランスに渡り外国風景を描いた。市美術展審査員、市美術館協議会委員などを歴任した。

 作品はいずれも油彩画で、1962年の「働く」(200号)、73、74年の「或(あ)る駅の構内」(80、100号)、97年の「仲間」(100号)。このうち「働く」は、旧国鉄の従業員と思われる労働者の作業風景を描いた。大きな足が特徴で力強さや一生懸命さが伝わる。

 12日は市淀江文化センター(米子市淀江町西原)で贈呈式があり、石田さんの長男祐紀夫さん(63)が市文化観光局の奥田晃巳局長に目録を手渡した。祐紀夫さんは「父の威厳が伝わる作品。たくさんの人に見てもらいたい」と願い、奥田局長は「当時の貴重な力作だ。鉄道関連の企画展で活用したい」と話した。

 市は作品を市淀江文化センターで1点、伯耆古代の丘公園(淀江町福岡)で2点、山陰歴史館(中町)で1点展示する。

      (柴田広大)