「抽象なんてのはね、絵が下手なやつが描くもんですよ」。高らかに笑いながら鋭い批評を口にするのが、中村宏の真骨頂だった。無論、その批評性は70年もの間リアリズム絵画を追究してきた矜持(きょうじ)のたまものだったが、初期作から最新作まで、中村絵画は常に私たちの目を...