ホテルの大広間に集まった約100人の支援者の前で、必死に涙をこらえている男性がいた。2月8日の衆院選投開票日。テレビの開票速報が更新されるたび、ある思いがよぎっていた。「また俺は負けるんか」―。名前は谷川とむ。49歳。自民党公認の候補者として、大阪19区で日本維新の会の伊東信久と激戦を繰り広げた。
2024年の前回衆院選で、維新は大阪の全19小選挙区の議席を独占。谷川は約4800票差の接戦で伊東に敗れ、比例復活もできず落選していた。
高市早苗首相誕生で「旋風」が吹いた今回も、本拠地大阪で維新が築いた岩盤は堅固だった。代表の吉村洋文は衰えぬ人気を見せつけた。19のうち18選挙区で維新が議席を守った中、谷川は自民党候補で唯一、選挙区を制した。わずか713票差の勝利だった。
維新の猛追を振り切った谷川の...













