背中を押してくれる言葉に猫のキャラクターを添えた「ネコトバ。」が悩める心にすっと入り込んでくる
背中を押してくれる言葉に猫のキャラクターを添えた「ネコトバ。」が悩める心にすっと入り込んでくる
初の書籍「疲れたら休めばいい、ということが何故こんなにもヘタクソなのだろう。」を手にする伊藤巴さん=松江市内
初の書籍「疲れたら休めばいい、ということが何故こんなにもヘタクソなのだろう。」を手にする伊藤巴さん=松江市内
背中を押してくれる言葉に猫のキャラクターを添えた「ネコトバ。」が悩める心にすっと入り込んでくる 初の書籍「疲れたら休めばいい、ということが何故こんなにもヘタクソなのだろう。」を手にする伊藤巴さん=松江市内

 雲南市在住の漫画家でカウンセラーの伊藤巴(ともえ)さん(38)が、初の書籍「疲れたら休めばいい、ということが何故(なぜ)こんなにもヘタクソなのだろう。」(作絵・ともえ、監修・根本裕幸)を学研プラスから出版した。自身のサイトで15年間描き続けてきた、少し強めでひねくれた言葉に猫のキャラクターを添えた作品70点を掲載。単なる「癒やし系」ではない言葉が、悩める人に届いてほしいと願う。 (増田枝里子)

 「あなたを一番ないがしろにしているのは、あなた自身。」

 「『どーせダメだ』って言ってたら、楽なんだよね。」

 読み手がどきっとするような、ちょっときつめでひねくれたメッセージと、癒やし系の猫のキャラクターが印象的な作品が並ぶ。小学生の頃から精神障害に悩まされてきた伊藤さん自身が、感情の起伏や苦しさと向き合う中で生み出したポエムに、中学2年の頃に飼い猫をモデルに作った「ぶちねこ」のキャラクターを添えた「ネコトバ。」という作品だ。

 2006年に自身のサイトで公開したところ、「共感した」「元気が出た」といった反響が寄せられるようになった。当初は自身を奮い立たせようと描いていた作品は、いつの間にか「読者のための作品」となった。だが、全国区になることはなく、知る人ぞ知る作品のままだった。

 転機は開始から14年が経過した20年7月に起きた。サイトを見ていた編集者から声が掛かり、出版社とつながった。とんとん拍子で書籍化が決まり、長年ファンだった心理カウンセラーの根本裕幸さんを本書の監修に迎えることとなり、書籍を手にしても「いまだに実感が湧かない」ほどだという。

 伊藤さんは、長引くコロナ禍で、これまでの価値観が揺らいでいると感じる。「叱ってほしい人もいれば、優しい言葉が欲しい人もいて、その両方を併せ持っている『ネコトバ。』が注目してもらえたのはこの時代だからかもしれない」と分析。「優しいけれどとげとげしい、強いんだけど弱い。そんな相反する言葉が共存する作品に魅力を感じてもらえたらうれしい」と願う。

 四六判、176ページ。1370円。書店で注文できる。