<「大丈夫。子どもは泣くのが仕事なんだから…」とバスで一緒にあやしてくれたおばあちゃん>。子育てや家族と暮らす楽しさを短文で表現する島根県の本年度「ことのは大賞」の入賞作の一つである。
作者は秋田県の女性(51)。子育てをしていた二十数年前の実体験で「いまだに心の糧になっている」という。狭いバスの中、大声で泣かれると、周囲の大人はついいら立ってしまいがちだが、確かに「子どもは泣くのが仕事」。交流サイト(SNS)に攻撃的な言葉が飛び交う現代だからこそ、寛容さを失いたくない。
<「今日学校でねー…」と話すとお母さん見てたスマホをすぐ閉じて聞いてくれる><「努力できることはすごいことなんだよ」自分にすごいところなんてないと思っていた私を変えてくれた母の言葉>。ともに島根県内の高校生の作品だ。
どんなに忙しくても正面から子どもに向き合い、真剣に話を聞いて一緒に考える。そうすれば子どもも親の愛情に応えてくれるはずだ。
<なかなか結婚しない息子に「子育てはおもしろいぞ」と言うと、「そんなことは育てられた自分が一番分かっている」と返された>は神奈川県の男性(68)の作品。子育ての面白さは分かっていても、結婚は強制されてするものではない。一方で結婚したくても、非正規雇用や低賃金など経済的な理由で踏み切れない若者もいる。そんな世の中には寛容になれない。(健)













