新型コロナワクチンの3回目接種を巡る日米の動き
新型コロナワクチンの3回目接種を巡る日米の動き

 【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)の外部有識者委員会は17日の会合で、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を65歳以上の高齢者と重症化リスクの高い人に推奨すると合意した。今後、医療従事者ら高リスク職種も加えるよう助言するが、16歳以上については「副反応リスクのデータが不十分」などの反対意見が多数を占めた。FDAは意見を尊重するのを通例としている。

 日本政府は3回目を実施する方針を決めたが、対象者などは諸外国の動向を踏まえて検討する構え。英国やフランス、ドイツも免疫不全の人や高齢者を中心に進めると決めており、日本の動向に影響しそうだ。

 世界保健機関(WHO)は発展途上国への配分が不足することを懸念し、3回目の年内実施の見合わせを求めている。中山哲夫北里大特任教授は「日本も、まずは欧米のように対象者を限定する流れに乗るのではないか」との見方を示した。

 バイデン大統領は2回目接種から8カ月以降の18歳以上を対象に、3回目を20日以降に始めると表明。審査への政治圧力との懸念や、科学軽視との批判が出ていた。FDAの許認可や米疾病対策センター(CDC)の推奨が必要で、米メディアによると手続きに23日ごろまでかかる見通しだ。

 委員会は会合で、16歳以上で2回目から6カ月以上たった人を対象とする3回目接種を審議。ファイザーは、時間がたつと感染や発症を防ぐ効果が低下することや、3回目以降に抗体量が増えたとの研究を説明。委員からは、2回でも重症化予防に十分な効果があり、副反応をさらに評価する必要もあるとの指摘が続いた。

 米国では既に、免疫機能が低下した特定の人への3回目接種は許可されている。