―生成人工知能(AI)が急速に普及しています。AIとの関わり方についてどのようにお考えですか。
企業は、AIを導入するだけで、業務が効率化し、経営を改善できるわけではありません。プロンプト(指示文)をきちんと書き、AIに何をさせたいのかを明確にする必要があります。海外では人間並みの知能を持つ「汎用人工知能」(AGI)やロボットや機械をAIで制御する「フィジカルAI」の研究が進んでいます。これらの技術は社会を変える力を持っているでしょう。ただAIに過度に期待することなく、何ができて何ができないのかを冷静に見極める力を持つことが必要だと考えています。

 

―人材育成についてのお考えを聞かせてください。
毎年、社員を連れて海外視察に訪れています。2025年は台湾、26年は米国・グアムへの視察を予定しています。人は自分の慣れ親しんだ世界の中だけにいると、どうしても視野が狭くなりがちです。海外に出て異なる文化や価値観に触れることで、外側から日本や自分自身を客観的に見つめ直す機会が生まれます。その気づきこそが、社員の成長を促す大きな原動力になると考えています。日本の国力が徐々に低下しているのは紛れもない事実ですが、それを肌で感じるには、実際に海外へ足を運んでみることです。リアルな危機感と刺激を得られるのが海外経験の価値です。

 

―26年には大規模な事業展開を計画しておられます。
グループ会社であるMCセキュリティが、病院向け情報セキュリティ事業の強化に向けて、NTTと提携する方針です。ミックの26年10月期の決算は売上高約60億円を目指し、30年にはグループ全体で100億円規模に拡大したいと考えています。こうした目標を達成するためにも人材への投資を進める考えです。海外視察などで視野を広げ、高い意識を持った人材を育てることが、長期的に会社の成長につながります。今後も社員への投資を惜しまない経営を続けたいと考えています。

技術はテクノロジーだけではなく、お客様と接して好感を持たれることも大変素晴らしい人的技術です。 ですから当社では「ITに精通しているかどうか」よりも、仕事も遊びも一生懸命に打ち込む好奇心旺盛な方を求めています。 皆さんもぜひ「何でも良いので夢中になって打ち込む」経験をして欲しいと思います。

宮脇 和秀=大田市出身。慶応大卒。富士ゼロックスに入社し、海外事業部で7年半米国大使館・国防総省を担当。神戸支店長を経て、37歳で故郷・松江市に帰ってきました。
ミックの立ち上げに奔走し、刺激ある人生を送ってきました。IT普及によるセキュリティの重要性を感じ、2006年松江市北陵町にMCセキュリティを設立。 高校生の時から趣味は映画。今は配信が主ですが、年間で何百本も鑑賞します。