イラン情勢が切迫している。米共和党のブッシュ大統領が北朝鮮、イラン、イラクを「悪の枢軸」と呼んでひとくくりに非難した20年前、外務省OBの孫崎享(うける)さんにインタビュー取材した。
駐イラン大使も務めた孫崎さんは、当時非核保有国だった3国の核使用の危険性が低い順にイラク、イラン、北朝鮮とした上で、米国がイラクに軍事攻撃を仕掛けた点に注目。「米国の視点によって敵、味方が厳密に分けられている。核の脅威に対して国際社会は『万国共通の規範』で動くべきだ」と指摘した。
意見はその通りなのだが、イラク戦争(2003~11年)を容認していた当時の日本の中では少数派だったように記憶している。現在、トランプ米大統領のイランへのアプローチは、米国と国連(国際社会)のダブルスタンダードどころか、もはや自国一辺倒だ。
庶民にその真意を推し量るすべはない。だが、米中ロがそれぞれ好き勝手に動く世界を描いているようだ。
イラク戦争時の小泉純一郎首相は人ごとのような言動も目立った。一方、トランプ氏との親密さを強調し、事実上のホルムズ海峡閉鎖に伴う原油価格高騰の対応が迫られる高市早苗首相にとって、イラン情勢は「自分事」。間近に迫る日米首脳会談でトランプ氏相手にどう立ち回るのか。よもや昨秋の台湾海峡を巡る国会答弁のようなノリで臨むわけにはいくまい。日本の命運が懸かっている。(万)














