ホワイトハウスで行われたトランプ米大統領(右)との会談で、記者団の質問に答える高市早苗首相=19日、ワシントン(共同)
ホワイトハウスで行われたトランプ米大統領(右)との会談で、記者団の質問に答える高市早苗首相=19日、ワシントン(共同)

 イラン情勢の悪化はホルムズ海峡の海上封鎖に波及し、石油危機再来の恐れが、遠い日本にも及ぶ。そのイランは「中東」の国となっているが、地中海東岸からアラビア半島に至るこの地域を中東と呼ぶのは、地球を東洋、西洋に分けたヨーロッパの視点でしかない。

 産業革命後に世界の覇権を握ったイギリスが、東側にあったオスマン帝国を近い東洋という意味の「近東」、その先のイラン辺りを「中東」としたのがきっかけだ。その後もかなりいいかげんにエジプト辺りまで含めて中近東と呼んでいる。

 さらに東側にある日本辺りは「極東」とされ、まるで地の果てのような扱いだが、これに異を唱えて文明、地理的つながりからアジアを中心に考えると、イランは「西アジア」の国となり日本は「北東アジア」の国となる。

 注目された日米首脳会談は直接的な軍事協力より、基本的な同盟強化、経済協力が主な論点となった。これが高市首相流の「したたかな外交」かと思ったが、高まる緊張の中で「アジア・太平洋地域」の枠組みを強く意識した結果に見える。

 地球は丸い。東に行こうが西に行こうが、その先でつながっている。欧米中心の世界観から離れて、自前の地域を「アジア・太平洋」と呼ぶならば、東はアメリカ、西はイランが含まれる。双方の仲介は難問だが、日本には地域の真ん中に腰を据え、その大役を果たす期待が寄せられている。(裕)