日米豪印首脳会合で想定される主な議題
日米豪印首脳会合で想定される主な議題

 日本と米国、オーストラリア、インドの4カ国は、米首都ワシントンで24日に開く菅義偉首相らによる首脳会合で、新型コロナウイルスワクチンの国際社会に対する安定供給に向けた連携強化を盛り込んだ共同文書を取りまとめる方向で調整に入った。日本政府関係者が21日明らかにした。会合では、アフガニスタンや中国への対応も協議する見通しだ。

 バイデン米政権は「唯一の競争相手」とする中国を念頭に「クアッド」と呼ばれる日米豪印4カ国の枠組みを重視。今回、初となる対面での会合開催も主導した。ワクチン分野での連携を急ぐ背景には、発展途上国へのワクチン提供で存在感を増す中国に対抗する狙いがある。

 日本政府関係者によると、首脳会合では途上国などへのワクチン供給の拡大策を協議。日本はインドで生産を予定するワクチンを各国に供給する際の財政的な支援を検討する。会合では気候変動対策や先端技術開発での協力も議題となる。

 イスラム主義組織タリバンが政権を掌握したアフガン情勢を巡り、現地の外国人やアフガン人の安全な退避に向けた連携も確認。女性や少数民族への人権抑圧の懸念がある同政権への対応も協議するとみられる。

 4カ国は3月、初の首脳会合をテレビ会議方式で開催。連携してワクチンの生産、供給を拡大することで合意し、作業部会で検討を重ねてきた。

 菅首相は23日に米国に向け出発し、26日に帰国する。訪米中にはバイデン大統領ら各国首脳との個別会談も予定する。