「日本百名月」に選ばれている出雲市園町の倉留寺で21日夜、宍道湖上の「十五夜」の月を眺める観月会があった。島根県内外の約50人が、一年で最も美しいとされる「中秋の名月」と雲が織りなす自然の移ろいを観賞し、心を洗った。
8年ぶりの満月となった「中秋の名月」を楽しめるとあり、日没前から人が集まった。暗くなると約300のろうそく明かりで境内が照らし出され、来場者はギターの弾き語り演奏とともに幻想的な景色を楽しんだ。
観月会は新型コロナウイルス感染防止のため、昨年は開かれず2年ぶり。出雲市斐川町直江の自営業、土江理英子さん(79)、恵子さん(68)は「素晴らしい。きれいだ」と湖上の月を絶賛した。
宍道湖北西岸の高台にある倉留寺は、境内から湖を望める。1999年から立地を生かして観月会を毎秋開き、取り組みなどが評価され一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューロー(東京都)の「日本百名月」に認定された月見の名所となっている。(松本稔史)