石見和牛や石見ポークを使った洋風のおせち料理を作った黒山正大さん(左)と森里佳さん=島根県邑南町矢上、香夢里
石見和牛や石見ポークを使った洋風のおせち料理を作った黒山正大さん(左)と森里佳さん=島根県邑南町矢上、香夢里

 【邑南】島根県邑南町矢上のレストラン香夢里(かむり)が、大手飲食店情報サイトを運営する「ぐるなび」(東京都)とコラボしたおせちを作った。町産の石見和牛などをふんだんに使い、従来のおせちのイメージとは異なる洋風に仕上げたのが特徴。10月1日からぐるなびの特設サイトで予約を開始する。

 町と食を通じた地域活性化で協定を結んだ「ぐるなび」は今春、社員の森里佳さん(32)を派遣。森さんが町内事業者を訪れる中、レストランは冬場に売り上げが落ちると聞き、新型コロナウイルス禍で通販の需要が高まる中で、おせち料理の開発を提案した。

 「おせちと言えば和食で最初は全くイメージがわかなかった」と、香夢里の黒山正大シェフ(32)は提案に驚きながらも、森さんやスタッフと協議を進め、製品化に至った。

 出来上がったおせち料理は石見和牛のローストビーフやコンビーフ、町産チーズと石見ポークの生ハム巻き、町産のチョウザメの身を使った押しずしとカルパッチョといった邑南町らしいメニューに、おせちの定番としてタコや栗、伊勢エビなども入れた。

 黒山シェフは「町を代表する食材を使いつつ、できるだけシンプルな味付けにした」と話し、森さんは「思った以上のおせちができた。県外の人に邑南町を知ってもらうきっかけになればうれしい」と望む。

 おせちは2段の3~4人前で、送料と税込みで2万2千円。50個限定で、ぐるなびの特設サイト「ぐるすぐり」のみで予約販売を受け付ける。 (糸賀淳也)