大学生の就職活動にかかった平均額
大学生の就職活動にかかった平均額

 2022年卒業予定の大学生がこれまでに使った平均の就職活動費が、新型コロナウイルス感染拡大前の20年卒の同時期に比べ4割ほど減少し、約7万2千円となったことが23日、民間調査で分かった。オンラインによる就職活動が増え、交通費や宿泊費が大きく減ったことが要因という。

 調査は就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルート(東京)が実施し、大学生1727人から有効回答を得た。20年卒は前年7月1日時点、21、22年卒は同6月12日時点の金額を集計した。

 20年卒の就職活動費は12万8890円だったのに対し、21年卒は8万8923円に急減。22年卒はさらに7万2034円まで減った。コロナ禍で21年卒からオンライン就活が急速に普及し、対面での就活が減少。22年卒でその動きが浸透したことが影響したとみられる。

 内訳を見ると、22年卒は交通費1万7420円、宿泊費1万3313円だった。20年卒と比べると3万2046円、1万3746円それぞれ減少した。

 リクルートの就職みらい研究所の増本全所長は「(コロナ禍での)環境変化で学生にとっては不安なことも多かったと思うが、金銭面では例年と比べて負担が少なかったことがうかがえる」と指摘した。