溺愛する孫のまる子がカウンターのある高級すし店に行ってみたいと言う。腹を決めて連れていった友蔵は高価なネタを容赦なく注文するまる子の隣で、青ざめながら締めさばをひたすら頼んで食べ続ける。
テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』にそんな話があった。友蔵は無類のサバ好きではなく、とにかく安い魚を選んだことは言うまでもない。
今となっては、くすりと笑うに笑えないかもしれない。庶民になじみ深い大衆魚のサバが、あろうことか高級魚並みに値上がりしているという。友蔵が仰天する顔が目に浮かぶ。国内産地で漁獲量が減少し、頼りのノルウェー産は資源管理のため漁獲規制が強まった。世界的に需要が高まり、原料の争奪戦が起きている背景がある。その余波だろうか。先日家族で行った回転ずしチェーン店でいつも頼む締めさばがメニューから消えていた。
言われてみれば、そもそも「100円皿」のネタの種類が以前に比べて減ったように感じる。全体的に価格が上がっている。何も魚に限った話ではない。この4月も調味料や加工食品の値上げが相次いだ。調査会社によると、半年ぶりに飲食料品で2500品目を超える。
混沌(こんとん)とするイラン紛争のあおりかと思いきや、影響が本格的に現れるのはむしろこれからという。食卓から国際情勢の先行きを危ぶむ。家計負担はどれだけ増えるのだろう。そう考えると青ざめてきた。(史)














