深まる秋にふさわしい茶道具が並ぶ会場=松江市北堀町、田部美術館
深まる秋にふさわしい茶道具が並ぶ会場=松江市北堀町、田部美術館

 【松江】松江市北堀町の田部美術館で、秋の茶会にふさわしいように取り合わせた茶道具の展示が始まった。四季ごとに開く茶道具展で今回は江戸時代の松江松平藩7代藩主・松平治郷(はるさと)(号・不昧(ふまい))ゆかりの品を中心に11点が並ぶ。10月末まで。

 不昧書の掛け物には「茶の湯は稲葉に置ける朝露のごとく 枯野に咲けるなでしこのごとし」とあり、冬が近づきさびれゆく情景と茶の湯の理想を重ね合わせる。交流が深かった江戸の蒔絵(まきえ)師・原羊遊斎作のキリギリスの香合からは秋の夜の音が聞こえてくるようだ。

 田部美術館の伊藤俊郎理事は「秋は涼しくなり、本来は最も茶道が盛んな季節。200年以上前の道具が少しずつ変化した様子も想像して楽しんでほしい」と話した。

 開館時間は午前9時~午後5時。入館料は大人700円、大学生と高校生500円。中学生以下は無料。月曜は休み。  (森みずき)