往年のプロ野球の名選手たちが集結した「ドリーム・ベースボール」。右から6人目が松永浩美さん=9月28日、米子市車尾のどらドラパーク米子市民球場
往年のプロ野球の名選手たちが集結した「ドリーム・ベースボール」。右から6人目が松永浩美さん=9月28日、米子市車尾のどらドラパーク米子市民球場

 やっぱり野球は面白い。しびれるような展開の末に、今季の勝者が決した日本のプロ野球、そして米大リーグ。劇的の度合いで言えば、海の向こうが上だったかもしれない。ただ「やっぱり」と思えたのは、日本シリーズの熱戦に「プロ野球も捨てたもんじゃない」と再確認できたから。もっと言えば、プロ野球が大好きだった子どもの頃の記憶があったからだと思う。

 選手名鑑で名前や背番号を丸々覚える小学生だった1980年代。ナイター中継も楽しみだったが、松江市営野球場で初めて味わった生観戦のわくわく感は忘れられない。

 米子市で今秋あった野球教室の取材も、指導を受ける小中学生より興奮していたかもしれない。市などの主催イベント「ドリームベース・ボール」で往年の名選手20人が集結。その中に現役時代、阪急ブレーブス(現オリックス)の若手として松江にも来た松永浩美さん(65)がいた。

 技術論はもとより、本気で伝えようとする姿が印象的だった。「長所を伸ばして短所に目をつむる考えは指導者の逃げだ。どうやったらできるか考えてほしい。持っている力を最大限伸ばす努力をしてほしい」。円陣で語りかけた言葉だ。

 練習生からはい上がり、ベストナインにも5度輝いた人の「人生訓」は、子どもたちにどう響いただろう。年を重ねて深みを増した言葉を、いつか、人生に野球がある喜びとともにかみしめるのもいい。(吉)