大阪・関西万博の会場に設置されていたトイレ=9月、大阪市此花区の夢洲
大阪・関西万博の会場に設置されていたトイレ=9月、大阪市此花区の夢洲

 <知らんやろ 出た快感をAI(人工知能)は>。トイレにまつわるエピソードを詠んだTOTOの第21回「トイレ川柳」の最優秀賞作である。現代社会のあらゆる場面に関与しているAI。とはいえ喜怒哀楽は言葉で表現できても、実際に肉体で感じることはできまい。

 選考したコピーライターの仲畑貴志さんは「トイレから、人類とAIの関係性を考える大きな表現」と評価する。ちょっと大げさな気もするが、入賞作を見ると、AIに限らず、トイレがさまざまな社会問題と関係しているのに気付く。

 <公衆の トイレは町の 通知表>。外国人観光客が押し寄せる日本。観光地で公衆トイレが不衛生だと悪い印象を与えてしまう。先月閉幕した大阪・関西万博の会場では性別を問わない「オールジェンダートイレ」も設置された。たかがトイレと侮ることなかれ。

 <長居して 家族が騒ぐ 90歳>。家族団らんの中、ふと気付くと高齢のおじいちゃんの姿が見えない。心配して捜していると「ここ(トイレ)にいるよ」の声にほっとする。家族間のAIならぬ“ええ愛”あればこその光景だ。

 こんな作品もあった。<もう一度 生き直そうと トイレ出る>。たとえ気分が滅入(めい)っていても、お通じに合わせて悪い気が流れ、快感を得られれば、また頑張ろうという気にもなる。あす11月10日は、「11(いい)10(トイレ)」の語呂合わせから「トイレの日」。(健)