第34回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞 表彰式

5団体12個人を表彰(2023/2/21)

第34回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞の表彰を受けた皆さん=松江市殿町、サンラポーむらくも

 第34回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞の表彰式が21日、松江市殿町のサンラポーむらくもであり、2022年に開かれた全国規模の大会で特に優秀な成績を残した島根県内の中学、高校の5団体、12個人(うちペア2組)に表彰状と記念盾が贈られた。

 表彰式には、受賞者、指導者ら約50人が出席。山陰中央新報社の松尾倫男社長が「コロナ禍で思うように練習ができない中、素晴らしい成績を収めた皆さんの活躍は県民に元気、勇気、感動を与えた」とあいさつ。斎藤重徳選考委員長(島根大名誉教授)が選考経過を報告した。

 四国総体、栃木国体少年男子、全国高校選抜大会を制し、14年ぶりに高校3冠を達成した横田高校男子ホッケー部の森山哲成前副主将が受賞者を代表してあいさつし「この賞に恥じないように、今後も努力を続ける」と決意を新たにした。

 受賞者は島根県、県スポーツ協会、県高校体育連盟、県中学校体育連盟が推薦した団体、個人の中から選考委員6人が協議した上で決定した。

 受賞団体、個人は次の通り。(敬称略)

 【団体】横田高校男子ホッケー部▽島根中央高校カヌー部▽出雲北陵高校卓球部▽石見智翠館高校女子ラグビー部▽横田中学校男子ホッケー部

 【個人】陸上・外野晴琉(出雲高校3年)▽同・吉迫大成(島根中央高校3年)▽同・佐野陽菜(松江工業高校3年)▽カヌースプリント・片伊勢志哉(出雲農林高校3年)▽同・植出士虎(島根中央高校2年)▽同・松本貢輝ブライアン(同校2年)▽同・河野賢晃(同校1年)▽同・浦部輝、磯田朔冶(出雲農林高校2年)▽ビーチバレー・江角翔央、吉岡健太(大東高校2年)▽なぎなた・広瀬米香(出雲北陵高校2年)▽陸上・蒲生悠桜(出雲市立第三中学校3年)▽卓球・山田萌心(益田中学校2年)

受賞者の横顔

第34回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞

5団体、12個人受賞(2023/1/27)

 島根県内の中高生を対象に2022年の全国規模のスポーツ大会で特に優秀な成績を収めた選手、チームを顕彰する第34回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞の選考会が26日、松江市殿町の山陰中央新報社であり、5団体12個人の受賞が決まった。

 5団体の内訳は高校4、中学1。高校は全国総体、国体、全国選抜大会を制し、3冠を達成したホッケーの横田男子、カヌースプリントの日本ジュニア・ジュニアユース小松大会男子カヤックフォア500メートルで優勝した島根中央男子、全国U18セブンズラグビー大会優勝の石見智翠館女子、卓球の全国大会で3度の3位入賞を果たした出雲北陵男子が選ばれた。中学はJOCジュニアオリンピックカップで優勝したホッケーの横田男子の受賞が決まった。

 12個人の内訳は高校10、中学2。高校は日本カヌースプリントジュニア・ジュニアユース小松大会男子カヤックシングル1000メートルで優勝を果たした植出士虎(島根中央)、全国高校なぎなた選抜大会女子個人を制した広瀬米香(出雲北陵)、全日本ビーチバレージュニア男子選手権大会優勝の江角翔央・吉岡健太組(大東)らが選ばれた。中学は全国中学校体育大会陸上女子800メートルで2位に入った蒲生悠桜(出雲三)らが選出された。

 選考は県、県スポーツ協会、県高校体育連盟、県中学校体育連盟から推薦された団体、個人が対象。選考委員6人で協議の上、決定した。表彰式は2月21日、サンラポーむらくも(松江市殿町)で行われる。

 選考委員は次の皆さん。

 斎藤重徳(島根大名誉教授)中沢信善(県環境生活部スポーツ振興監)安井克久(県スポーツ協会専務理事)久家彰(県スポーツ推進委員協議会会長)宇津誠(県高体連会長)安達正治(県中体連会長)

第34回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞 受賞者の横顔

 第34回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞は、島根県内の中高生の中から2022年の全国規模のスポーツ大会で特に優秀な成績を収めた5団体12個人を選んだ。

 内訳は、団体が高校4、中学1、個人が高校10、中学2。ホッケーでは高校3冠を達成した横田高男子、全日本中学生ホッケー選手権を4年ぶりに制した横田中男子が受賞した。高校のカヌーも全国規模の大会での活躍が目立ち、1団体、5個人を選んだ。

 受賞団体、個人の足跡を紹介する。

島根中央高カヌー部

日本カヌースプリントジュニア・ジュニアユース小松大会カヤックフォア500メートルで優勝した島根中央高の(左から)児島生知、河野文晃、河野賢晃、吉村颯人=2022年9月、石川県小松市、木場潟カヌー競技場

全国大会 粘り強くV

 島根中央男子は第18回日本カヌースプリントジュニア・ジュニアユース小松大会(9月)のカヤックフォア500メートルで優勝、日本カヌースプリントジュニア選手権大会(8月)カナディアンフォア500メートルで準優勝した。

 小松大会には河野賢晃、河野文晃、児島生知、吉村颯人が出場。2位に入った艇と最後まで競り合う展開となったが粘り強くこぎ続け、頂点に立った。ジュニア選手権では市川蒼空、中島聡太、宇田川樹生、谷地太陽の4人が組み、1分54秒958でフィニッシュした。

石見智翠館高 女子ラグビー部

全国U18 3年ぶりV

 7人制ラグビーの第5回全国U18女子セブンズラグビー大会(10月)で石見智翠館高(中国ブロック)が3年ぶり3度目の優勝を果たした。

 大会には全国9ブロックから12チームが出場。予選プールで2戦全勝した石見智翠館は、各プールの1位同士がぶつかる決勝トーナメントに進出。1回戦を19-5で突破すると、決勝は佐賀工高(九州ブロック)と対戦。前半に3トライと2本のゴールキックで19点を奪うと、後半は無得点に終わったものの、粘り強く守り19-12で逃げ切った。

横田高男子ホッケー部

全国高校選抜大会を制し、高校3冠を達成した横田の選手たち=2022年12月、岐阜県各務原市、川崎重工ホッケースタジアム

14年ぶり高校3冠

 ホッケーの横田男子が四国総体(8月)栃木国体少年男子(10月)全国高校選抜大会(12月)を制し、14年ぶりに高校3冠を達成した。

 四国総体では決勝で丹生(福井)を2-0で破り、2年連続7度目の頂点に立った。栃木国体の決勝では伊吹(滋賀)と2-2で引き分けたが、大会規程により両チーム優勝となった。

 3冠が懸かった全国高校選抜大会では再び丹生と対戦し、0-0でシュートアウト(SO)戦に突入。5人全員がゴールを決める勝負強さを見せ、栄冠を手にした。

出雲北陵高卓球部

栃木国体卓球少年男子で3位になった島根(出雲北陵)の(左から)杉浦大和、佐藤卓斗、小野泰和、古瀬泰之監督=2022年10月、栃木県鹿沼市、TKCいちごアリーナ

総体で最高成績3位

 卓球の出雲北陵男子は、全国高校選抜大会(3月)四国総体(8月)栃木国体少年男子(10月)で3位入賞を果たした。

 3大会とも、全国大会で優勝経験のある強豪・愛工大名電(愛知)と対戦。全国高校選抜大会と栃木国体ではストレート負けを喫したが、四国総体準決勝では杉浦大和・佐藤卓斗組が前日の個人戦ダブルス準決勝で苦杯をなめたペアに勝つなど2-3と健闘。全国高校総体での最高成績を8強から3位に塗り替えた。

 メンバーの中には1、2年生もおり、今年も活躍が期待される。

横田中男子ホッケー部

第52回全日本中学生ホッケー選手権で優勝を決めて喜ぶ横田のメンバー=2022年8月、宮城県栗原市、築館多目的競技場

全中 4年ぶり5度目V

 6人制で競う第52回全日本中学生ホッケー選手権(8月)で横田男子が4年ぶり5度目の優勝を果たした。

 横田は3チームによる予選リーグで2勝して、決勝トーナメントに進出。1回戦では瑞穂(京都)、準々決勝では東原(栃木)、準決勝では川口・一方井(岩手)を破り、決勝に進出した。

 決勝は前回大会3位の朝日(福井)と対戦。前半にFW上田龍太郎が2点を挙げ、主導権を握った。1点を返されて2-1で迎えた後半にも上田らが2点を奪って突き放した。

高校・陸上 外野晴琉(出雲)

四国総体陸上男子110メートル障害で準優勝した外野晴琉(手前、出雲)=2022年8月、徳島県鳴門市、鳴門ポカリスエットスタジアム

総体 努力結実の自己ベスト

 四国総体陸上男子110メートル障害決勝で外野晴琉(出雲)が向かい風3.8メートルの中、14秒61をマーク。2位に入り、予選落ちした前回大会の雪辱を果たした。

 体幹のぶれない走りを求め、1年間で1秒近くタイムを縮めて臨んだ大会。予選、準決勝ともに組トップで通過すると、決勝では1位とのタイム差が0.04秒と、惜しくも優勝を逃したが大舞台で自己ベストを更新した。

高校・陸上 佐野陽菜(松江工)

四国総体で自己ベストの53メートル02をマークし、2位に入った松江工の佐野陽菜=2022年8月、徳島県鳴門市、鳴門ポカリスエットスタジアム

総体 最終投でビッグスロー

 四国総体陸上女子ハンマー投げで佐野陽菜(松江工)が自らが持つ高校山陰記録を塗り替える53メートル02をマークし、準優勝した。

 万全な状態で大会に臨めたという佐野は1投目(50メートル57)で3位につけたが、その後は力みや焦りから思うような投てきができず、7位に後退した。それでも気持ちを切らさず最終6投目でビッグスローを披露し、記録なしに終わった前年の北信越総体の悔しさを晴らした。

高校・カヌー  片伊勢志哉、浦部輝・磯田朔冶組(出雲農林) 松本貢輝ブライアン、植出士虎、河野賢晃(島根中央)

2校5個人 全国大会で大健闘

 カヌースプリントでは男子の島根中央、出雲農林から5個人が受賞した。

 日本ジュニア選手権大会(8月)では、片伊勢志哉(出雲農林)がカナディアンシングル200メートルで優勝、同500メートルで準優勝した。日本ジュニア・ジュニアユース小松大会(9月)ではカヤックペア500メートルで松本貢輝ブライアン・植出士虎組(島根中央)が優勝、植出はカヤックシングル1000メートルでも優勝した。カナディアンペア500メートルでは浦部輝・磯田朔冶組(出雲農林)が2位に入った。

 栃木国体少年男子(10月)ではカヤックペア500メートルで河野賢晃・植出組(島根中央)が2位となった。

高校・なぎなた 広瀬米香(出雲北陵)

広瀬 米香(出雲北陵)

全国選抜 個人で初制覇

 なぎなたの全国高校選抜大会女子個人で、広瀬米香(出雲北陵)が優勝した。全国から約130人が参加するトーナメントで2回戦から出場し、7戦を勝ち抜いた。

 中学生でなぎなたを始め、全国大会に個人として出場するのは初めてだったが、決勝では隙を見逃さず大分の選手から面を奪って一本勝ちした。その後、12月の県高校新人大会で優勝した。

高校・陸上 吉迫大成(島根中央)

栃木国体陸上少年男子共通5000メートル競歩で2位に入った吉迫大成(島根中央)=2022年10月、栃木県栃木市、県総合運動公園陸上競技場

国体で悔しさ糧に山陰新

 栃木国体陸上少年男子共通5000メートル競歩で吉迫大成(島根中央)が山陰新となる20分20秒90をマークし、2位に入った。

 20人で競う決勝では、序盤から先頭集団に絡むと、得意とする最後の直線で加速し、競り合っていた3位の選手と0・12秒差でゴールした。過去2度出場した全国高校総体ではともに失格しており、高校最後の大舞台で悔しさを晴らした。

高校・ビーチバレー 吉岡健太・江角翔央組(大東)

第21回全日本ビーチバレーボールジュニア男子選手権で優勝を果たした大東高の吉岡健太(右)と江角翔央=2022年8月、雲南市木次町里方、市役所

全国大会 県勢初V

 第21回全日本ビーチバレーボールジュニア男子選手権(8月)で、吉岡健太・江角翔央(しょうお)組(大東)が島根県勢としては初となる優勝を果たした。

 攻守ともに息の合った連係が武器の2人は、予選グループ戦を突破すると、32組による決勝トーナメントでも順当に勝ち上がった。決勝では千葉県のペアに終盤までリードを許したが、持ち前の粘り強さで逆転に成功し、接戦を制した。

中学・卓球 山田萌心(益田)

夏季デフリンピック競技大会の卓球女子団体で銀メダルを獲得した山田萌心=2022年6月、益田市常盤町、市役所

選手団最年少 大活躍の銀

 聴覚障害者の国際スポーツ大会「夏季デフリンピック競技大会」(5月)の卓球女子団体に日本代表として出場した山田萌心(もえみ)(益田中)が銀メダルを獲得した。

 選手団最年少選手としてブラジルで開催された大会に参加。シングルス3人の団体では決勝でウクライナに敗れたが、準決勝ではチームに流れを引き寄せる活躍を見せた。混合ダブルスでもベスト8と健闘した。

中学・陸上 蒲生悠桜(出雲三)

全国中学校体育大会陸上女子800メートルで2位となった蒲生悠桜(出雲三)=2022年8月、福島市、とうほう・みんなのスタジアム

全中 中学山陰記録更新2位

 全国中学校体育大会(8月)の陸上女子800メートルで蒲生悠桜(出雲三)が中学山陰記録(2、3年)を塗り替える2分10秒95をマークして準優勝した。

 最後までスピードが落ちない走りが持ち味。決勝では積極的に2位集団を引っ張り、残り250メートルで抜け出すと、トップと約1秒差でゴールした。10月のJOCジュニアオリンピックカップU16大会1000メートルでも6位入賞を果たした。

第34回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞 選考委員(順不同)

島根大名誉教授 斎藤 重徳氏
島根県環境生活部スポーツ振興監 中沢 信善氏
島根県スポーツ協会専務理事 安井 克久氏
島根県スポーツ推進委員協議会会長 久家  彰氏
島根県高等学校体育連盟会長 宇津  誠氏
島根県中学校体育連盟会長 安達 正治氏