『マンダロリアン・アンド・グローグー』マンダロリアン役のペドロ・パスカル、グローグー
『マンダロリアン・アンド・グローグー』マンダロリアン役のペドロ・パスカル、グローグー

 全世界を熱狂させ続ける「スター・ウォーズ」シリーズ。その最新作『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が5月22日に公開され、多くの劇場で満席回が続出するなど大ヒットスタートを切っている。

【画像】映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』場面写真

 2019年公開の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)』以来、7年ぶりの劇場版最新作となる本作。主人公は、孤高の賞金稼ぎマンダロリアン(ディン・ジャリン)と、絶大な人気を誇るグローグーだ。

 公開直前にはマンダロリアン役のペドロ・パスカルとグローグーがそろって来日。5月19日に都内で開催されたジャパンプレミアの翌日、ペドロ・パスカルが取材に応じた。

 マンダロリアンは、どんな仕事も完璧に遂行する伝説の賞金稼ぎ。仲間からは“マンドー”と呼ばれ、厳格な掟に従って人前では素顔を見せない。

 “主演なのに顔が見えない”という異色のキャラクターについて、パスカルは笑顔でこう語る。

 「ジョン・ファヴローとデイブ・フィローニに初めて会ったとき、このシリーズのビジュアルや世界観を見せてもらいました。本当に美しくて驚きました。子どもの頃に『スター・ウォーズ』を映画館で観て育った身としては、その世界の一部になれるなんて、本当に圧倒される思いでした」と振り返る。

 そして、マンダロリアンのデザインを初めて見たときの衝撃について、「このキャラクターは、衣装だけで物語を語っていると感じた」と語り、「正直、僕の顔では、フル装備のマンダロリアンほどクールには見えません(笑)」とユーモアを交えて語った。

 顔が見えないキャラクターを演じることについて、不満はまったくないようだ。

 「『スター・ウォーズ』らしく、このキャラクターは“共同作業”で作られました。俳優のブレンダン・ウェイン、スタントパフォーマーのラティーフ・クラウダーがスーツアクターとして参加し、特にアクション面を支えてくれました。マンドーは80%くらい戦っていますからね」

 3人で作り上げたマンダロリアンは、ヘルメットで表情が見えない分、動きや細かな仕草で感情を表現。格闘シーンやスタントにも“キャラクター”が宿るよう、試行錯誤を重ねてきたという。

 本作では、ジェットパックを駆使して空を舞い、敵のマシンを奪って雪山を駆け抜けるなど、シリーズ屈指のアクションも展開。豪快さとユーモアを兼ね備えた“マンダロリアンらしさ”がスクリーンいっぱいに描かれている。

 一方で、グローグーの世界的人気について、「ジェラシーは?」と聞くと、パスカルは笑いながら首を振った。

 「最初にジョンからグローグーのコンセプトアートを見せてもらったとき、それがこの作品に参加したいと思った最大の理由のひとつだったんです。絶対に世界中の人々の心をつかむと思いましたから」

 その上で、「だから、その“成功の理由”に嫉妬する、という感覚ではないんですよね」と語った。

 「僕自身、人生を通して映画を愛してきましたし、演技を学び、舞台に立ち、俳優として生きることを真剣に追求してきました。その中で一番面白いと思うのは“多様性”なんです。演技の幅だけじゃなく、経験すること、一緒に仕事をする人々、演じるキャラクターも含めて。ディン・ジャリンのような、顔の見えない賞金稼ぎなのに、クリーチャーとの関係性によって人間らしい心が見えてくるキャラクターって、本当に特別だと思います」

 パスカルは、“顔を見せるスター俳優”として目立つことよりも、“さまざまなキャラクターや表現に挑戦できること”に俳優としての魅力を感じているようだ。

 「だから、嫉妬みたいな感情はまったくないんです」と笑った。

■“フォースは善のために使うべき” 幼少期から「スター・ウォーズ」に影響

 そうは言っても今やハリウッド屈指の人気俳優となったパスカル。俳優を志した原点にも「スター・ウォーズ」があった。

 「僕は本当に小さい頃から映画館に通っていました。両親がいつも映画館へ連れて行ってくれて。子どもの頃の最も古い記憶のひとつが、映画館で映画を観たことなんです」

 1975年生まれの彼にとって、「スター・ウォーズ」シリーズは“最初の大スクリーン体験”だった。

 「だから、『スター・ウォーズ』は僕の想像力や夢を形作った存在なんです。そして、その夢が巡り巡って、自分自身がスター・ウォーズの世界に加わることにつながった。なんだか不思議ですよね」

 幼少期に受けた影響は、今も彼の価値観の核になっている。

 「“フォースは善のために使うべきで、悪のためではない”という考え方。そして、大冒険の中で“善き者”を応援する感覚。それが幼い頃から強く刻み込まれたんです」

 さらに、「大人になってからも、その価値観を持ち続けている」と語り、「今でも毎日、自分に言い聞かせているんです。“正しいことをしよう”って」と穏やかに話していた。