商品棚の手前に並べられている消費期限や賞味期限が近くなった商品からとる「てまえどり」運動が、島根県内のスーパーなどで始まった。廃棄される食品を減らすとともにエシカル消費(倫理的消費)の普及を目指す。
家庭内での「食品ロス」の削減に向けた啓発を進めてきた県が、食品を扱う事業者に協力を求めて企画。「手前から取るだけ」「手軽にエシカルしませんか?」などと記したポスターやポップを作り、小売り事業者に配った。
スーパーなどは陳列棚に掲げて呼び掛ける。運動に参画した、みしまや春日店(松江市春日町)では年間約8%の食品ロスがあるといい、尾原和光店長は「廃棄は心苦しく、何とかならないかと思っていた」と運動の浸透を願った。
農林水産省によると、食品ロスの推計は年間約600万トン。うち約54%が食品関連事業者によるという。 (多賀芳文)