<短歌>

 ◇湖笛斐川支部(出雲市)

ゆく道に山桃の実の転がれり口むらさきの少年の夏 岡田 敏幸

梅雨暗き石階の奥処(が)の荒神さん藁の大蛇の朽ちゆく静けさ 田坂ひでの

「よう伸びるね」ひと言褒めて草を引く付き合ひ長き草は悪友 新田 晴美

山あひの我が家にもどりて風を聞く巷の喧騒に遠きその風 長崎 雅子

励ましの文に添へらるつゆ草の心に沁むるその花の藍 吉岡美代子

雨やみて今日の一日初蝉なきとんぼの飛びて夏を呼び込む 高橋...