出雲を舞台にしたアニメ映画『神在月のこども』の全国上映が始まった。母を亡くし、大好きだった走ることが嫌いになってしまった少女カンナが、神の使いの白ウサギに導かれて東京から出雲を目指す物語。きのうも多くの観客でにぎわった▼旧暦の10月は神無月と呼ばれるが、全国の八百万(やおよろず)の神々が集まる出雲では「神在月」。映画は出雲の魅力を広くアピールする絶好の機会になるだろう▼この季節は神々だけでなく、学生長距離界を代表する全国の有力ランナーが出雲に集う時期でもある。全日本、箱根と並んで「三大駅伝」の一つに位置付けられる第33回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)がきょう、出雲大社前から出雲ドーム前までの6区間、45・1キロのコースで開かれる。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止されており、2年ぶりの開催。待ちわびた駅伝ファンも多いだろう▼レースの主役になりそうなのが、東京五輪陸上男子3000メートル障害で日本史上最高の7位入賞を果たした浜田市出身の三浦龍司選手(順天堂大2年)。予選で自身が持つ日本記録を6秒以上更新し、中長距離ではアフリカ勢にかなわないという固定観念を壊してみせた▼「地元で走る機会を得ることができ、すごくうれしい」と話す日本陸上界のホープが、初めての「出雲路」でどんな走りを見せるのか。冒頭の映画同様に、ワクワクが止まらない。(健)