一体ずつ手作りされる出雲五色天神=出雲市斐川町出西
一体ずつ手作りされる出雲五色天神=出雲市斐川町出西

 出雲地方に江戸時代中期から伝わり、一時途絶えていた土人形「出雲五色天神」を制作する工房が18日、出雲市斐川町出西にオープンした。伝統工芸を後世に残す拠点として活用し、町内の有志21人が週2回、粘土をこね筆を執る。

 出雲五色天神(5体一組)は天神信仰を背景とする「土天神」が起源で、5体を「仁、義、礼、智、信」を表す黒、青、白、赤、緑の各色で彩色する。出雲地方では誕生時や節句の贈り物、学業成就の飾り物として知られる。

 工房は県退職公務員連盟斐川部のメンバーでつくる「斐川でこや連」の青木誠会長(82)の旧宅を改装。人形制作は青木会長らが2019年9月に地域貢献活動の一環で復活させ「再び途絶えることがないよう独立した施設がほしい」との思いで整備した。

 18日は開所式に続き、粘土を型に押し当てて成形する「型起こし」に着手。1カ月以上、乾燥させた後、近くの出西窯で素焼きし、筆で色を付ける。22年2月末までに50セットの制作を目指し、工房と出西窯で販売する計画で、青木会長は「このささやかな一歩が、将来、大きく実を結んでほしい」と願った。 (藤原康平)