飯南町と雲南市、広島県庄原市にまたがる大万木(おおよろぎ)山(1218メートル)で、タコ足のように枝が広がるブナの木「タコブナ」が、秋の紅葉シーズンを迎えて黄色く色づき始めた。11月上旬に最盛期となる見込みで、不思議な樹形も相まって登山者の目を引きそうだ。
山頂から北西に100メートル移動した場所に自生する。樹齢は不明で、幹回り約3メートル、高さ約10メートル。地上1・5メートルほどの位置から11本の枝が生え広がる。今年は8、9月の気温が高かった影響で、例年より1週間程度、色づきが遅い。
町や県中山間地域研究センターによると、ブナがまきとして利用されていた時代、積もった雪より上に出た枝部分を繰り返し刈ったことで、このような見た目になったという。
7月豪雨で登山道の駐車場は使えず、町は周辺の退避スペースなどの利用を推奨する。大万木山の登山ツアーを催す町観光協会の芥川治さん(42)は「来ていただく際は近くの住民に配慮しつつ、飯南の紅葉を楽しんでほしい」と呼び掛けた。 (清山遼太)