グランピング施設のイメージ図(米子市ホームページより)
グランピング施設のイメージ図(米子市ホームページより)

 米子市の皆生温泉街にある市有遊休施設「老人憩いの家」(米子市皆生温泉4丁目)の跡地売却で、遊技業の東大産業(同市米原5丁目、山本昌範社長)が優先交渉権者に決まった。市が30日、明らかにした。高級キャンプ「グランピング」の施設にリニューアルし2022年9月の全面開業を目指す。今後、売却額などを詰めて今秋にも譲渡する。

 市が1~3月にかけて公募した事業提案に、鳥取県など1都4県でパチンコ店「デルパラ」を展開する同社のみが応募した。金融機関関係者や学識経験者らによる審査委員会で、事業内容や温泉活用策などを見極め、温泉街のにぎわい創出につながると判断した。

 新施設は仮称「KAIKE GLANPING BASE」。露天風呂付きのコテージ2棟(計4部屋)とドーム型の透明テント6張を設ける。温泉や海辺の景色、星空をテーマに高級感のあるしつらえとする。1泊2食付き料金は、大人1人1万~3万円台を想定し、年間4千人前後の集客を目指す。投資額は2億8千万円の見込み。

 グランピングの繁忙期という4~6月は、皆生温泉の入湯客数が落ち込む時期と重なり、周辺施設との相互送客も検討するという。

 東大産業の山本社長は「『星取県』として売り出す鳥取の豊かな自然を満喫できる施設としたい」と話した。

 市は19年3月に老人憩いの家を廃止。跡地(約3200平方メートル)の最低売却額を2376万円に設定している。

      (田淵浩平)