【ワシントン共同】米製薬大手ファイザーは5日、新型コロナウイルス感染症の治療用に開発している飲み薬「パクスロビッド」の臨床試験(治験)で、重症化とそれに続く死亡を89%抑える効果を確認したと発表した。米国での使用許可を得るために食品医薬品局(FDA)にデータを提出する。
同社はこの薬が「ゲームチェンジャーになる」と期待を示した。手軽に服用できる飲み薬は早期治療や医療機関の負担軽減につながると期待されており、米メルクの薬は英国が4日に承認。塩野義製薬も開発を進めている。
治験では重症化リスクのある成人患者に12時間おきに5日間飲んでもらい、偽薬を飲んだグループと比較した。発症から3日以内にパクスロビッドを飲んだグループでは、4週間後までに389人中3人が入院し、死者はいなかったのに対し、偽薬のグループは385人中27人が入院、7人が死亡した。
発症5日以内の服用でも8割以上の重症化を抑える効果があった。偽薬のグループを超えるような健康上の問題はみられなかった。