茶道文化に触れる寧夏の留学生ら=松江市北堀町、明々庵
茶道文化に触れる寧夏の留学生ら=松江市北堀町、明々庵

 NPO法人日本寧夏友好交流協会(松江市)の交流会が28日、松江市北堀町の茶室・明々庵であった。島根県内の大学に通う中国寧夏回族自治区出身の留学生ら11人と会員が、茶道を通じて日本文化への理解と交流を深めた。

 新型コロナ禍で日本文化の体験や交流の場が減る留学生を支えようと企画し、コロナ対策を取って行った。

 茶道体験では、島根県茶道連盟の森山俊男事務局長が「茶は約800年前に禅僧が中国から持ち帰り、日本で四季などを取り込んで独自の文化となった」と両国の縁の深さに触れ、丁寧に作法を説明した。

 明々庵の敷地にあり、出入り口が狭くなっている茶室・松陽庵は、戦の方法を相談する密談の場にもなっていたと紹介。誰もが頭を低くする設計にし、身分の上下に関わらず意見できる環境にしていたことを解説すると、留学生からは感嘆の声が上がった。

 島根県立大の留学生・謝亜男さん(23)は「日本文化に触れられる貴重な体験ができた。(コロナで)大変な中、機会をもらい有り難い」と話した。(多賀芳文)