講演する山本洋子氏=米子市明治町、米子ワシントンホテルプラザ
講演する山本洋子氏=米子市明治町、米子ワシントンホテルプラザ

良い日本酒飲んで日本守る アフターコロナへ!
 山陰の地酒で地域創生

 山陰中央新報社の米子境港政経クラブ、島根政経懇話会の定例会が16、17の両日、米子、松江両市内であった。日本酒と食のジャーナリスト、山本洋子氏(60)=東京都在住、境港市出身=が「アフターコロナへ! 山陰の地酒で地域創生」と題して講演し、良い日本酒を飲むことが地域の自然環境や農林水産業、伝統産業、日本を守ることにもつながると説いた。要旨は次の通り。

 日本酒は、甘い辛いといった味わいも大切なことなのだが、一番大事なことは日本酒があることで地域が醸せること。地域の存続は酒蔵にあると思う。

 著書などで唱えていることは「1日1合純米酒」。20歳以上の国民1人が毎日、(醸造アルコールが添加されていない)純米酒を1合飲むと、減反が不要になる。100万ヘクタールの田んぼがよみがえるという計算になる。米も余っているのに食の自給率が足りていないと言われている。もったいない話だ。

 お酒であれば輸出もできる。良い日本酒をもっと日本で増やしたいと考えている。日本酒は水も重要で、鳥取には全国区のミネラルウオーターもある。島根も太古から水が良いと言われている。鳥取の酒蔵が製造する日本酒に純米酒が多いことが特筆すべきこと。島根は日本酒発祥の地とされ、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した八塩折之酒(やしおりのさけ)など歴史もあるのは魅力だ。

 酒米は原生品種、同品種に近いもの。農薬や化学肥料に頼らない方がよくできる。田んぼや地域の生態系を守ることにもつながる。

 日本酒の蔵元はスギ材をよく使うなど山ともつながっている。酒器も木製、ガラス、陶磁器や漆器など多様で、山陰にも良い器がある。伝統的な発酵食品など日本酒にしか合わないさかながあり、酒粕(さけかす)の効用も注目されている。

 地域は私たちが選ぶ「飲」と「食」が支えている。日本酒は伝統産業や自然環境とつながっており、日本酒を飲むことは日本を守ることにもつながると考える。

  (松本稔史)