尾根上から出土した竪穴建物跡。眺めを楽しむために建てた可能性があるという=松江市東出雲町揖屋、崎田遺跡
尾根上から出土した竪穴建物跡。眺めを楽しむために建てた可能性があるという=松江市東出雲町揖屋、崎田遺跡

 松江市東出雲町揖屋の中海に面す丘陵地にあり古代に栄えた集落遺跡の崎田遺跡で、尾根上に1棟だけ立つ古墳時代の竪穴建物跡が見つかった。市埋蔵文化財調査室が25日発表した。居住の形跡がなく、見晴らしを楽しむ建物だった可能性があるという。奈良時代の墨書土器片も出土。役人が駐在する交通の要衝だった可能性も浮かび上がった。
 調査室によると、遺跡は中海から250メートルほど離れた標高約30メートルの丘陵地の頂上付近にある。竪穴建物跡は標高約25メートルの尾根上で見つかり、柱の跡が残っていた。両側が切り立った尾根に建物が1棟だけで建つ状況は珍しいという。面積25平方メートルで、煮炊き用の炉跡がなく、徳永隆主任は「居住用ではなく、頂上から中海の眺望を楽しんだのかもしれない」と推測する。
 墨書土器片は丘の斜面から出土。「井」の文字が記されていた。遺跡は水運の便が良いほか、古代山陰道にも近く、交通の要衝として役人といった識字者が住んだ可能性があるという。
 市道整備に伴う調査で、同じ丘の麓にある種前遺跡も調べ、古墳時代の竪穴建物跡や江戸時代の掘立柱建物のほか、漁具の土製品「土錘」など2千点近い大量の遺物が出土した。
 27日午前10時から市民向け現地説明会がある。申し込み不要で、参加無料。問い合わせは徳永主任、電話080(8231)4322。
 (佐貫公哉)