2020年9月に中電工隠岐営業所(島根県隠岐の島町)に務めていた男性=当時(44)=が自ら命を絶ったのは職場の上司のパワーハラスメントが原因だとして、遺族が中電工(広島市中区)や当時の上司に計約6千万円の損害賠償を求め、松江地裁西郷支部に提訴していたことが25日分かった。
訴状によると、男性は19年夏から「お前は駄目なやつだ」「会社に要らん」などと上司から繰り返し暴言を受けた。20年9月、慰労会の席で屈辱を受けた3日後に命を絶った。中電工側は社内に調査委員会を設けたが、遺族が求める労災認定については「労災を前提とした対応は致しかねる」などと説明したという。
原告の親族は山陰中央新報社の取材に対し「大切な命が亡くなり悔しい。同じことが起きないよう、会社はきちんと向き合ってほしい」と語った。
中電工の担当者は「訴状を受け取ったばかりなのでコメントできない。(主張は)裁判で明らかにしていきたい」と説明した。
(森山郷雄)