太平洋戦争の体験者や研究者を招いた平和学習の講演会が26日、出雲市斐川町富村の西野小学校であった。終戦直前に地元で米軍機の襲撃を受けた住民らが6年生に戦争の悲惨さなどを伝えた。
当時小学5年だった鬼村吉郎さん(87)=武志町=と、地元の空襲について研究する高塚久司さん(66)=下古志町=が講師を務め、6年生96人が出席した。
児童は冒頭、1945年7月28日に斐伊川で友人と遊んでいる最中に、米軍機の機銃掃射を受けた鬼村さんの証言DVDを視聴。「パンツ一丁だったから子どもだと思って威嚇射撃された。着物を着ていたらやられていたかもしれない」と振り返った鬼村さんは「自由に話し、意思が通じ合える時代が良い。戦争は誰も得しない」と訴えた。
高塚さんは校区内にある旧海軍大社基地跡について解説。基地は約3カ月で完成し、1日当たり5200人程度が工事に携わったことなどを説明した。
講演を聴いた錦織絆玖君(11)は「戦争の恐ろしさが分かった。知らない人に伝えたい」と話した。
平和学習は戦争の実態を正しく理解して伝えられる子どもを育てようと同校が毎年実施。児童は基地跡の見学も行った。
(松本直也)