日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の景気実感を示す業況判断指数(DI)が昨年12月の前回調査から15ポイント上昇のプラス5だった。2019年9月以来、1年半ぶりのプラスで、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準を回復した。改善は3四半期連続。市場では「予想を上回る結果」(エコノミスト)との受け止めが多かったが、業種間格差は広がった。1月の緊急事態宣言再発令を受け、宿泊・飲食は15ポイント悪化のマイナス81に落ち込んだ。

 新型コロナウイルス禍が始まってから1年、日本経済はなお苦難が続いている。感染「第4波」の懸念から3府県が「まん延防止等重点措置」...