旧宇都井駅からトロッコを運行する江の川鉄道のメンバー=広島県三次市
旧宇都井駅からトロッコを運行する江の川鉄道のメンバー=広島県三次市

 廃線となったJR三江線の鉄道資産を観光資源として生かす島根県邑南町の三江線鉄道公園が、国土交通大臣表彰の2021年度手づくり郷土(ふるさと)賞に輝いた。廃線を逆手に取り、住民主体で地域おこしに努めてきた活動が高く評価された。

 手づくり郷土賞は1986年度に創設。21年度は全国から30件の応募があり、13件が選ばれた。県内からの受賞は3年ぶり。

 三江線鉄道公園は、町内にある旧宇都井、口羽両駅の駅舎やホーム、線路を観光資源として生かそうと地元有志らでつくるNPO法人江の川鉄道が発案。町がJR西日本から資産の無償譲渡を受けて整備し今年4月、開園した。駅舎や線路に入場でき、トロッコ乗車イベントなども企画し、県内外から観光客を呼び込み地域に活気を生んでいる。

 江の川鉄道の日高弘之理事長(81)は「ここまで大変だったが、やってきたかいがあった」と笑顔を見せた。

 現在はトロッコ追加導入に向け、インターネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)に挑戦中。旧宇都井、口羽両駅と間に位置する旧伊賀和志駅(三次市)を結んだトロッコ運行を目指しており「賞を励みに一層頑張りたい」と意気込む。

 町の石橋良治町長も受賞を喜び「この流れを止めず、全国でも唯一無二の観光地となるよう応援する」と話した。
  (糸賀淳也)

 ▼三江線レールパークのイベントの様子(2021年2月撮影)