1974年7月、東京・神田。英ロンドンから来日したピーター・バラカン(70)は街に漂う鼻を打つような、焼き魚とそばつゆのにおいに驚いた。「『うわ、何これ』って感じ。今はすっかり慣れたけど、生まれて初めてのアジア体験は強烈だった」

 あれから半世紀近く。ディスクジョッキー(DJ)歴も40年になったが、音楽への情熱は変わらず、こだわりの曲をラジオの電波に乗せ、リスナーに届ける日々を送る。

▽分かれ道

 「僕は人生の要所要所で『面白そうだ...